天皇陛下のお言葉と聖徳太子17条憲法第3条「承詔必謹」について
聖徳太子の17条憲法の第1条は、超有名な「和を以て貴しとなす」、仏教を取り入れた太子らしく第2条は「三宝を篤く敬え」、そして第3条が「詔を承らば必ず謹め」となっています。
神武天皇の昔から、天皇は「民」を「おおみたから」と呼び慈しんできましたが、 これは洋の東西を問わず絶対君主と被支配民との関係と全く異なります。
今回お話したいのは、昨年8月、象徴としてのお務めについて述べられた天皇陛下のお言葉についてです。(以下引用いたします)
「伝統の継承者として・・日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、・・人々の期待に応えていくかを考えつつ、今日に至っています。」
「・・既に八十を越え・・全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。・・天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、 その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、 無理があろう・・天皇が健康を損ない、 深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。・・天皇の終焉に当たっては・・様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません・・」
「・・これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、・・私の気持ちをお話しました。」
一部大変僭越ながら省略させて頂いたが、 天皇陛下は伝統の継承者として、皇室が国民と相携えて未来を築き、象徴天皇の務めが途切れることなく安定的に続くよう心から念じておられ、その際高齢化を伴う対処の仕方が天皇たる地位の役割の縮小であっ てはならないと明らかにしておられる。このお言葉の意味を常識的に考えれば、高齢化による天皇陛下のご譲位を法律的に担保し、天皇たる役割が縮小することなく国民生活に影響が及ばぬよう制度設計を考えることが国会に課せられた使命と考える。
この使命を果たすことが、お気持ちを表明された天皇陛下や、ご皇族の皆様にとって、何よりの朗報かと思う。日ごろ国民のために、とてつもないご負担をおかけしているご皇室の皆様を思い、弥栄を願い、承詔必謹、ご譲位を認める法改正に邁進すべきと確信する。