北朝鮮の核実験は水爆の可能性というのは大いなる脅威である。
(ジェームズ・マティス米国防長官(2017年8月24日撮影、資料写真)。(c)AFP/Anatolii STEPANOV)
北朝鮮のミサイルの命中精度は極めて低く、通常弾頭に詰め込める火薬の量も限られることから、被害は限定的とする見方がほとんどである。
しかし、核弾頭になると話は別である。核開発は米国も、中国も阻止したい。
経済制裁を日本が行ったとしても、中国との貿易投資が拡大し続ける限り、北朝鮮の独裁者は平気で核開発を進めていく。
10年前の2007年に北朝鮮の核施設の稼働停止を条件に、米国はマカオにある北朝鮮の外貨資金の集中するバンコ・デルタ・アジアの口座封鎖を解除した。その後さらに、不完全な核計画の申告を通じて北朝鮮のテロ支援国家指定の解除を行ったことによって、今に至る結果は予見できたのかもしれない。
当時、ホワイトハウスにはラムズフェルド国防長官やボルトン国連大使など強硬派はおらず、ライス国務長官と功を焦ったクリストファー・ヒル国務次官補の安易な妥協によって強引にテロ支援国家指定は解除された。
もはや、制裁のテコとなるような外貨口座を発見することは至難の業であり、核開発はもはや米国本土を脅かすレベルに至っている。
外交の失敗、外交の敵は、個人の些細な功名心から生じてしまう。
当時議員団の一員として米国に渡り、ヒル国務次官補に直訴したことが思い出された。